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タグ:司法・犯罪

関係行政論(1)〜(40)の使い方

(1)〜(27)は,『臨床心理士資格試験問題集1〜4』の中に掲載されている『公認心理師現任者講習会テキスト』の関係行政論に相当する問題を抜き出した。問題と解説は『臨床心理士資格試験1〜4』に掲載されている通りである。

過去問は,平成18年度(2006年)以降の問題をアップしている。平成3年度から平成17年度のはどうするんだという話であるが,早い話が過去問の全問解説が平成18年以降からだったので,そうしただけに過ぎない(笑)。これ以上遡っても法律が改正されている場合があり,知識の「混濁」を避ける目的もある(としておく)。私の「学び」が進むと同時進行して,まだまだ解説を追記していく予定となっている(私の解説は【橋口(2018)追記】として書いていく。間違う可能性もあるので,そこはあくまでも参考ということで)。

各エントリの左下にタグを付けておいたので,「司法・犯罪」だけまとめて見てみたいということも可能となっている(表示は古い順になるので,過去問は古い年度から見ていく形式となる)。

【追記】
(28)以降は,『公認心理師現任者講習会テキスト』の関係行政論のまとめ・解説をして行く。まとめ形式だと味気なく退屈だろうと思われるので,オリジナル問題(あくまでも解説の前振り程度のもの。ただし文言は『公認心理師現任者講習会テキスト』そのまま)】を解いたあとで,解説をしながらまとめていくという形式にしてみた。


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事例Iを読んで,問題88から問題90の設問に答えなさい。

【事例I】
 Iさん(女性,42歳)は,息子のP (16歳)に対する家庭での指導のあり方について悩み,ある相談機関に訪れ,臨床心理士が面接した。Iさんによると, Pは第一志望の高校の受験に失敗し,不本意ながら第二志望の高校に入学したものの,1カ月ほど経った頃から学校を休みがちとなった。そして昼頃まで寝ており,夕方になると出かけて,中学時代の友人と夜遅くまで遊んで帰ってくるようになった。友人の中には, Pと同様に高校生活に馴染めず,すでに中退してしまった者もいるようであった。ある日, Iさんから急な電話があり,来所予約日よりも早いが,至急相談したいことがあるとのことだった。来所したIさんから担当の臨床心理士が話を聴いたところ, Pは遊び仲間と恐喝事件を起こして警察に逮捕され,現在警察署に勾留されて取調べを受けているとのことだった。

【問題88】

 母親のIさんは不安そうな様子で,これから「Pはどうなるのでしょうか」と質問してきた。Iさんに対する臨床心理士の次の説明の中から,正しいものを一つ選びなさい。

A.警察による捜査が終了した後,検察官に事件が送致される。犯罪の嫌疑はあるが,家庭裁判所の審判に付す必要はないと検察官が判断すれば,事件を家庭裁判所に送致せず,不起訴とする可能性がある。

B.Pは未成年なので,家庭裁判所で審判を受けることになるだろうが,家庭裁判所の調査の結果よっては,審判が開始されないこともある。

C.家庭裁判所に事件が受理されると,家庭裁判所調停委員による調査が行われる。

D.恐喝は悪質な事件なので,検察官は家庭裁判所に事件を送致せず,地方裁判所で成人と同様の裁判を受ける手続きを進める可能性がある。

E.家庭裁判所はPを審判に付し,少年院送致か少年鑑別所送致の処分を下す可能性がある。

【問題89】

 前回の相談から10日後, Iさんから連絡があり,Pは少年鑑別所に送られたとのことだった。Iさんの説明を聞いていると, Iさんは少年鑑別所について正しく理解しているところと,誤って理解しているところがあるようだった。少年鑑別所について語ったIさんの次の説明のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から正しいものを一つ選びなさい。

A.少年鑑別所では,心理検査や面接を行って, Pの性格の特徴や, Pが高校での生活や家族や友だちのことをどのように感じているのかについて,調べるそうです。

B.少年鑑別所で自分の犯した罪を深く反省して,まじめに生活していれば,早く出してもらえるそうです。

C.少年鑑別所では, Pの所内での行動観察などの結果に,外部から得られた情報を加えて検討し,家庭裁判所に提出するのだそうです。

D.少年鑑別所は, Pの資質の鑑別を行い,罪を償わせるところだそうです。

【問題90】

 Iさんに対する臨床心理士のアドバイスに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から正しいものを一つ選びなさい。

A.家庭裁判所は犯した罪に相応する罰を決定するので,決められた罰は甘んじて受けなければいけません。

B.家庭裁判所の調査では,保護者としてPについて考えていることや悩んでいることをきちんと話してください。

C.少年鑑別所に面会に行き, Pとこれからどのように生活を立て直していくかについて,話し合ってみてください。

D.Iさんの家の近くに住んでいる保護司さんを紹介しますので,その保護司さんの保護観察を受けてみたらいかがでしょう。


 少年法(平成19年11月1日施行の改正を含む)の規定に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から最も適切なものを一つ選びなさい。

A. 犯罪少年とは,14歳以上18歳未満の犯罪を犯した少年である。

B. 家庭裁判所は,少年の最終的な処分を決定する機関である。

C. 14歳以上の非行少年は,まず家庭裁判所に送致される。

D. 14歳未満の少年は,少年院に送致することができない。


【問題90】

 家庭裁判所に送致された少年は,どのような扱いを受けることになるのか,また,審判はどのようなものになるのかについて述べた次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から,最も適切なものを一つ選びなさい。

A. 少年は,審判までの間,家庭裁判所調査官の調査を受けることになる。

B. 少年は,審判までの間,少年鑑別所に収容され,非行からの立ち直りのためにカウンセリングを受けることになる。

C. 少年が観護措置をとられると,鑑別を受けることになる。鑑別とは,医学,心理学,教育学などの専門的知識に基づいて,少年に責任能力があるか否かを明らかにすることである。

D. 審判は,懇切を旨として,和やかに行うことになっているが,非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すようなものとするとされている。

【問題90】

 学校臨床心理士(スクールカウンセラー)が勤務している高校で, Bさんという男子生徒が,ゲームセンターで他の高校の生徒とトラブルになった際に,殴る蹴るの暴行を加えて傷害を負わせるという事件を起こし,警察に通報された。傷害の程度は現時点では不明である。学校臨床心理士は担任教員から,今後,彼はどうなるのかと尋ねられた。Bさんは高校2年生で,年齢は16歳か17歳のどちらかである。Bさんの今後の経過に関する次の記述の中から,正しいものを一つ選びなさい。

A.被害者の傷害の程度が軽かった場合は, Bさんはぐ犯少年として,警察官から児童相談所に通告されることになる。

B.警察官から事件送致を受けた検察官は,被害者の傷害の程度が重いか否かによって, Bさんの事件を家庭裁判所に送致するか,起訴するかを決めることになる。

C.Bさんは,審判の前に少年鑑別所で鑑別を受ける可能性がある。鑑別の結果は,家庭裁判所の審判の資料になり,審判後の指導にも活用されることになる。

D.Bさんが傷害を負わせた被害者が死亡した場合には,いわゆる原則逆送制度の対象となるので,家庭裁判所で審判を受けることはなく,地方裁判所で裁判を受けることになる。

E.Bさんは18歳未満であるので,裁判を受けた場合,死刑の場合は無期刑に,無期刑の場合は有期刑に,短期の懲役刑の場合は禁銅刑にといった,刑の緩和がなされることになる。

次の事例Kを読んで,問題89の設問に答えなさい。

【事例K】
 学校臨床心理士(スクールカウンセラー)が勤務する中学校に在籍する, Kさんという2年生の男子生徒は,髪を金色に染めたり,制服のズボンを太くしたりするなどの校則に違反する服装で登校し,授業中に騒いで授業を妨害して,しばしば教師の注意を受けている。最近では,教師が注意すると, Kさんは暴言を吐いて学校を飛び出すようになり,他の中学校の生徒と一緒に公園でたむろして喫煙している様子を見たと,近所の方から連絡が入ることもあった。中学校ではKさんの指導に苦慮しており,学校臨床心理士を交えて, Kさんの指導方針について検討していた。そんなある日, Kさんが公園で喫煙しているところを近所の方に注意された際に,殴る蹴るの暴行を加えて傷害を負わせるという事件を起こした。傷害の程度は不明であるが,通行人によって警察に通報されたとのことである。

 Kさんは中学2年生で,年齢は13歳か14歳のどちらかである。Kさんの今後の経過に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から,正しいものを一つ選びなさい。

A.Kさんが13歳であった場合,触法少年であるので,警察官はまず児童相談所に通告することになるが, Kさんが傷害を負わせた被害者が死亡した場合には,警察官は家庭裁判所に直接事件を送致することになる。

B.Kさんが14歳であった場合,犯罪少年であるので,警察官はKさんの事件をまず検察官に送致し,検察官が家庭裁判所に送致することになる。

C.Kさんが13歳であった場合,家庭裁判所の審判で少年院送致となる可能性はない。

D.Kさんが14歳であった場合,家庭裁判所の審判で検察官送致となる可能性はない。

【問題90】

13歳の中学生による教師への暴力事件に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から,正しいものを一つ選びなさい。

A. 13歳で刑罰法令に触れる行為をした子どもに対しては,刑事責任能力(有責性)を問うことができない。

B.学校内で起こった教師への暴力事件は, 教師や学校臨床心理士 (スクールカウンセラー)が中心となって,学校内で解決することが望ましく,警察の関与は避けるべきである。

C.13歳の少年による事案であっても,その非行性や要保護性いかんによっては,少年院への送致があり得る。

D.今後,家庭裁判所が関与した場合,中学校には,この少年の生活行動状況や成績などに関する情報提供が求められる。

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