【H23 問15】
尺度の水準に関する次の記述の中から,誤っているものを一つ選びなさい。

a. 名義尺度では,数字は名目的に使われる。名義尺度上の測定値は,平均値を求めても意味がない。

b. 順序尺度では,数字は測定する性質の順序を表す。順序尺度上の測定値は,中央値を用いることができる。

c. 名義尺度と順序尺度で表されるデータに対して用いられる統計検定法は,ノンパラメトリックなものに限られる。

d. 間隔尺度は,数字の等間隔性が保証された尺度である。間隔尺度上の測定値は,平均値を求めても意味がない。

e. 比(比率)尺度では,比率を求めたり乗除の演算をすることができる。また比(比率)尺度上の測定値は,平均値を用いることができる。

【H11 問題14】
統計的検定に関する次の記述のうち,適切なものに◯,適切でないものに✕をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から正しいものを一つ選びなさい。

A.「変数Xと変数Yの平均値に有意差がある」ということは,帰無仮説が棄却されることを意味している。

B.「変数Xと変数Yの間の相関は有意である」ということは,両変数間に因果関係があることを意味している。

C. 有意水準を5%とした場合に「有意である」と結論することは,その結論が95%以上の確率で意味を持つことを示している。

D. 正規分布においては,約3分の2の標本は平均から士1標準偏差の範囲にある。

【H23 問題38】
心理テストの妥当性に関する次の記述のうち,正しいものに◯、誤っているものに✕をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から,正しいものを一つ選びなさい。

a. 妥当性とは,測定しているものをどの程度一貫して測定しているかという,テストの精度を表す概念である。

b. 妥当性は,折半法や再検査法で推定される。

c. 信頼性の高い心理テストは,妥当性も高い。

d. 妥当性には,大別して内容的妥当性,基準関連妥当性,構成概念妥当性の3つがある。










 以下では公認心理師試験にのぞむにあたり統計でおさえておきたい項目を取り上げる。統計のポイントは、出題者も受験生が統計は苦手なことを知っているということである(笑)。なので、基本的な事柄しか問われないとみてよい。

 以下では3問だけ取り上げる。例によって「これだけで良いのか!」という意見もあるとは思うが、時間を考慮すると、以下のところだけおさえておき、残り(含む多変量解析)は「捨てる」のが効率的である。以下の3問で統計のところの60%は取れるはず(または合格者の平均には届くはずである。


【H23 問題15】
 臨床心理士が心理アセスメントや調査研究をおこなう場合に,尺度の水準を理解しておくことは不可欠である。

 尺度には,名義尺度順序尺度間隔尺度比尺度という4つの水準がある。尺度の水準に合わない方法で数量化したり,不適切な代表値を求めたり,不適切な統計的検定方法を用いているのを見かける。とくに名義尺度順序尺度など,加減演算が意味をなさない尺度水準において,平均値を求めたり,統計的な検定をおこなっても意味がない

 こうした場合は妥当な結論を導くことができないし,誤った結論に導かれることがある。こうしたことを避けるために,尺度の水準について正しく理解し,どのような要件を満たす場合に平均値を求めてよいか,また尺度がどのような要件を満たす場合に統計的検定をおこなってよいか,理解しておく必要がある。

a. 正しい(○)。名義尺度は,電話番号,背番号,バスの系統番号などのような場合である。名義尺度では,数はただ名目的に使われるにすぎないので,変数値間の比較は「等しい」か「異なる」かでしか行えない。名義尺度での代表値として使えるのは最頻値のみである。加減などの演算をおこなっても意味がない。つまり平均値を求めても意味がない

【橋口(2019)追記】
 平均とは、すべてのデータの値を加えて度数で割ったものであり、代表値として最もよく使われる。代表値には、平均以外にも、最頻値、中央値がある。最頻値とは、最も度数の多いデータの値、中央値とは、データの値を大きさの順に並べた場合(*)に中央に位置する値であるが、これら2つの代表値は、実際の研究においては平均に比べると使用される頻度は少ない。中央値は、データの値の中に外れ値がある場合などに用いられることもある。外れ値によって値が引きずられない性質のことを抵抗性というが、中央値は抵抗性が高く、平均値は低い(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

→ データが偶数個ある場合は、2つの値の平均を中央値とする。

→ 外れ値は平均を用いた技法、たとえばt検定、分散分析、相関分析、には全て影響を与える。

b. 正しい(○)。順序尺度は,例えばレースの着順などのように,数は測定する性質の順序を表すが,加減などの演算には意味がない。順序尺度での代表値としては,最頻値に加え,中央値(メデイアン)を用いることができる。平均値を求めても意味がない

【橋口(2019)追記】
4つの尺度では、この順序尺度がよく問われる。ポイントは、

 〆派冀輸、中央値◯、平均値✕

◆.離鵐僖薀瓮肇螢奪検定しか使えない


というところである。

<参考>
 母集団から標本を取り出すことを標本抽出(サンプリング)と呼ぶが、標本抽出においては母集団の特徴がよく反映されるように、偏りのない無作為(ランダム)な方法で抽出されることが望ましい。

 検定法では、標本が特定の分布を持つ母集団から無作為標本抽出(ランダム・サンプリング)されていることを前提とするものパラメトリック検定(*分散分析やt検定などがこれに該当し、母集団には正規分布が仮定されている)。

 母集団に特定の分布を仮定しないものノンパラメトリック検定と呼んで分類している(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

→ ノンパラメトリック検定の有名所は、カイ自乗検定である。

c. 正しい(○)。名義尺度と順序尺度での測定値は,加減などの演算に意味がないために,統計的検定をおこなう場合はノンパラメトリック検定しか用いることができない。

d. 誤り(×)。間隔尺度は,例えば温度やカレンダーの日付のように,数字の等間隔性が保証された尺度である。間隔尺度での代表値としては,最頻値中央値を用いることもできるが,平均値が意味を持ち,最も多くの情報を与える。

→ 平均値が意味を持つのは、この間隔尺度から。

e. 正しい(○)。比尺度は,例えば質量,長さ,年齢のように,間隔尺度の性質を満たしたうえで,さらに比率を求めたり乗除の演算をすることにも意味がある。比尺度の代表値としては,最頻値中央値に加え,平均値を用いることができる。

『臨床心理士資格試験問題集 3』(誠信書房)より

【H11 問題14】
A. 正しい(◯)

1.橋口と福山(まさはる)ではどちらがモテるのか。

2.100人に調査したところ、橋口のめちゃモテ指数の平均は1,福山は5であった。

3.さて、橋口のめちゃモテ指数の平均と福山のめちゃモテ指数の平均には差があったと言えるのか。

4.1と5では、ある人は差があると言い、ある人は差がないと言う(ことにしてね)。

5.決着が着かないので(現実的には着いているのだが(笑))、統計的に検討してみる。

6.橋口のめちゃモテ指数の平均と福山のめちゃモテ指数の平均は等しい。【帰無仮説】

→ 「橋口のめちゃモテ指数の平均と福山のめちゃモテ指数の平均は等しくない」【対立仮説】という仮説は直接計算できないので(*神のみぞ知る領域*ただしベイズ統計では計算できるらしい)、計算が可能な「等しい」の方を検証しにいく。

7.橋口のめちゃモテ指数の平均と福山のめちゃモテ指数の平均が等しい確率は0.0000000000000000235であった。

8.なんという低い確率!!!!(笑)。

9.「等しい」確率がこんなにも低いということは・・・

10.「等しくない」(*対立仮説が「正しい」)ということだ!!!!!

という流れである。

B.誤り(✕)

→ 【コウノトリの数 ↓ 】と【赤ちゃんの出生数 ↓ 】 の相関係数は(たぶん)有意(=相関係数はゼロではない)。

→ コウノトリが赤ちゃんを運んでくる?! というような場合もあったりする(逆に言えば、そう信じられていた時代には、因果関係有りとなるのかもしれないが(笑))。

*なお、相関係数に関しては、

 .泪ぅ淵1からプラス1の範囲をとる。

◆0.2と0.4の場合、別に0.4が0.2の2倍(の強さ)ではない。


もよく出る。

C.誤り(✕)

有意水準5% → 帰無仮説(橋口めちゃモテ指数平均=福山めちゃモテ指数平均)が成立する確率(危険率)が5%以下ということ。

D.正しい(◯)

→ 正規分布に関しては「プラスマイナス1SDの範囲に約70%が入る」とだけ覚えていれば良い。

標準偏差散布度として最もよく用いられるのが標準偏差である。標準偏差を説明するためには、分散について言及しておく必要がある。分散とは、各データの値について(データの値一平均)の2乗を計算、それらの合計をデータ数で割ったものである(「データ数−1」で割ったものは不偏分散という)。

 こうして計算された分散は、(データの値一平均)2と2乗の計算が入っていることからわかるように、元の測定単位が変わってしまっている。そこで、測定単位を戻すために、分散の平方根(2乗の「逆」)を取ったもの標準偏差である。分散も標準偏差も、値が大きいほどばらつきが大きいことを示す(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

【H23 問題38】
心理テストの信頼性と妥当性に関する基礎的な知識を問うた問題である。

A. 誤り(×)。この記述は信頼性に関するものであり,妥当性はテストが測定しようとしている目標をどの程度十分に,かつ正確に測定しているかを表す概念である。

【橋口(2019)追記】
このように信頼性と妥当性は説明内容を入れ替えるだけの問題も出る(笑)。

B. 誤り(×)。折半法(*)や再検査法(*)で推定されるのは,信頼性であって妥当性ではない。

【橋口(2019)追記】
現在は、信頼性は、 癖森垳〆宰、折半法→)α係数(内的一貫性)、∈童〆鎖頼性(再検査法による)で検証するのが一般的だが、試験では、古式ゆかしき平行検査法や折半法なども出てくる。

折半法:検査の偶数項目群と奇数項目群に分けて実施し2つの群の相関係数を求める(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

→ イミフな人は「捨てても」◯。

再検査法同一の検査一定期間 (たとえば1か月)おいて同一被検査者に実施して2つの得点間の相関係数を求める(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

<解説にないもの>
平行検査法:測定したい検査とほぼ等しい検査(項目数や内容の難易度)を実施して2つの得点間の相関係数を求める(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

→ イミフな人は「捨てても」◯。

α係数内的整合性による方法ともいわれるように、項目間の回答の一貫性を分散比によって検討する方法である(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

→ イミフな人は「信頼性を検討するさいに内的一貫性を検証するのがα係数」とだけ覚えると良い)。

C. 誤り(×)信頼性と妥当性とは別の概念であり,必ずしも信頼性の高い心理テストが妥当性も高いとは言えない

→ これも頻出。私のイメージでは、たとえ理論的に「キレイな」心理療法(内的一貫性)があったとしても、それが本当に効いている(妥当性)のか判らないという感じ。

D. 正しい(○)。妥当性には,内容的妥当性(*),基準関連妥当性(*),構成概念妥当性(*)の3つに分類されるのが一般的であるので正しい記述である。

内容的妥当性理論的側面において妥当か(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

基準関連妥当性:外的基準がテストと同時点に測定される併存的妥当性と、基準の測定をテストより後の時点で行う予測的妥当性が区別される(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

構成概念妥当性関連があるとされる概念と適度な相関を示す収束的妥当性と、異なる概念指標とは相関が見られない弁別的妥当性が区別される(『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版))。

『臨床心理士資格試験問題集 3』(誠信書房)より

いかがだっただろうか。

えっ?!少なすぎるんじゃないかですって?!

もちろん、時間がある方は、多変量解析等へ進んでも良いと思うが、個人的には効率的ではないのではないかと。

「わからない、わからない」となるよりは、DSM系の本でも読んでいた方が試験的には良いのではと(笑)。