【問題 33】

 MMSE (Mini Mental State Examination) に関する次の記述のうち,正しいものの組み合わせを下のa〜eの中から一つ選びなさい。

A. MMSEは,精神疾患の中で認知障害を有する患者を検出することを目的として考案されたものである。

B. MMSEには, 言語性の課題だけで構成されるHDS-Rとは異なり,動作性の課題が多く含まれている。

C. Serial7'sとは, 100から7を順に5段階まで減算する課題であり,言語の流暢性の機能を評価するためのものである。

D. 3単語の記銘で用いる単語は,動物なら犬-猫-馬のように,同じカテゴリーの3単語を用いて検査する。








 臨床現場で頻繁に使用されているMMSEに関して基本的な知識を問う問題である。

A  正しい(○)。 MMSEは,もともと,精神疾患の中で認知障害を有する患者を検出することを目的として考案されたものである。

B  正しい(○)。改訂長谷川式簡易知能評価スケール (HDS-R) は,言語性の課題だけで検査が構成されているが,一方, MMSEには動作性の課題が多く含まれている。

C  誤り(×)。 Serial7'sとは,注意と計算のドメインにある下位検査で,注意および暗算能力の機能を評価するためのものである。言語の流暢性の機能を評価する際は,文字流暢性課題として語頭文字を指定して行う方法や,意味流暢性課題として意味的カテゴリーを指定して行う方法がある。

D  誤り(×)。3単語の記銘で用いる単語は,ボール-旗-桜のように異なるカテゴリーの3単語を用いて検査する。

*MMSEの実際の質問項目は,http://cocoromi-cl.jp/about/mmse に載っていた。




【橋口(2018)追記】
 これまで取り上げてきた心理検査と異なり,ブループリントにも直接載っているMMSEとHDS-Rであるからして,やっておいて損はないだろう。HDS-Rをそのまま問う問題は,平成17年が最後となっている。あくまでも推測であるが,HDS-Rは言語性しか測定できないのと比べてMMSEは言語性も動作性も測定できるという利点があって,HDS-Rより優勢になってきているのではないか。過去の記事でMMSEもHDS-Rもまとめたが,ここでもう一度まとめておこう。

<MMSE>【使用頻度16位(小川,2011)】
・1975年,Folstein(フォルステイン)らが入院患者の認知障害を測定する目的で開発した。

11項目で構成される(言語性と動作性)。

・得点範囲は0点から30点で,23点以下で軽度認知症、20点以下でせん妄や統合失調症、またはうつ病による知能低下、14点以下で重度認知症、といった疑いがあり。

・今日は何月何日なのかと問う言語性の質問の他に図形を書いてもらうなど動作性の質問もある。

・スクリーニングが目的

<HDS-R>【使用頻度13位(小川,2011)】
・1991年,加藤らが開発。

9項目で構成される(言語性のみ)。

→ 被験者が口頭で質問する。

・得点範囲は0点から30点で,20点以下を認知症,21点以上を非認知症を疑う。

→ 点数はあくまでも目安であり,重症度の診断ではない。

・スクリーニングが目的