【平成21年度臨床心理士資格試験 問題22】

 新版K式発達検査2001に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から正しいものを一つ選びなさい。

A. 検査場面における子どもの行動観察と保護者からの聴取の二側面から成り立っており,実際の生活能力は母親の聴取により得られる情報から判断する。

B. 新版K式発達検査が新たに改訂され新版K式発達検査2001になったときに,適用の対象上限は成人まで,下限は0歳にまで広げられた。

C. 乳児尺度をのぞくと施行順序が決まっていないので,検査者は,どの検査項目から始めて,どのような順序で検査を行うかを,対象者の反応に応じて判断しながら検査をすすめていく。

D. 施行した検査項目に+ (通過), − (不通過)と記載するが,得点化の際には施行していない検査項目にも+,−の評価をしなくてはならないので,注意が必要である。

【平成22年度臨床心理士資格試験 問題39】

B. 発達検査をする場合,0歳からの発達が測定できる新版K式発達検査2001を施行することも適切である。

【平成25年臨床心理士資格試験 問題26】

B. 新版K式発達検査の発達指数は,発達年齢と生活年齢の比から算出する方法を用いている。

【平成27年臨床心理士資格試験 問題48】

B. 新版K式発達検査2001の適用年齢は,就学前の年齢 (0〜6歳) である。

D. 新版K式発達検査2001は, 姿勢・運動領域, 認知・適応領域, 言語・社会領域それぞれの発達年齢, 発達指数を算出することができる。

【平成28年臨床心理士資格試験 問題26】

 緊急に一時保護された幼児に新版K式発達検査2001を施行したところ,認知-適応領域は検査に応じてくれたため発達指数 (DQ) は算出できたが,言語-社会領域では十分な検査をすることができなかった。ただし,検査全般には興味を示して最後まで応じてくれた。このときに臨床心理士がとるべき対応に関する次の記述の中から,最も適切なものを一つ選びなさい。

A 数値が明確に算出できない領域のアセスメントは行わない。

B 全体領域のDQが必要であるので,言語の検査ができるようになるまで待ってから再検査を施行する。

C 判定不能として,行動観察や母親の情報収集で得た情報をもとにアセスメントをする。

D 数値は出さないが,応じてくれた一部の言語領域の検査結果や行動観察を加味して,アセスメントを行う。

E 新版K式発達検査2001の結果は使用せず,他の検査結果を採用する。


『臨床心理士資格試験問題集2〜4』(誠信書房)より





【橋口(2018)追記】
・使用頻度は,18位(小川,2011)。発達検査で唯一のベスト20入り。


【問題22】

A 誤り(×)。聴取による判定をできるだけ避けて,検査場面の子どもの行動から判断するべき検査である。

【橋口(2018)追記】
 やむを得ない理由で保護者の情報から評定する必要がある場合は検査が終了してから行う。

B 誤り(×)。新版K式発達検査2001では,それまでの対象が14歳までであったものを成人まで引き上げたが,この改訂の前から0歳の乳幼児尺度は存在している。

C 正しい(○)。0歳児を対象とする第一葉第二葉は,検査を受ける子どもの姿勢を,子どもに負担がかからないように順を追って変化させるために,検査の実施順が定められているが,第三葉以降では,検査者は子どもの興味や注意を持続させるように実施順序を工夫するように求められている(*第六葉まである)。

D 正しい(○)。施行するしないにかかわらず,原則としてプロフィールというラインよりも左側にある検査項目は+(通過)と判断して,これらの総計から発達年齢が算出される。

【問題39】

B 正しい(○)。 全国的にも乳幼児健診後のフォローや精密検査では,新版K式発達検査2001が用いられることが増えている。

【橋口(2018)追記】
 公開されている臨床心理士資格試験の過去問においては,遠城寺式は平成11年,津守式は平成20年が最後の出題年となっている。遠城寺式は直接測定であったものの対象年齢が0歳から4歳8ヶ月と低く,津守式は間接測定だったのが「敗因」なのかも。

【問題26】

B 正しい(○)。文章の通りである。

【問題48】

B 誤り(×)。新版K式発達検査2001の適用年齢は, 0歳から成人まで延べ328項目で構成されている。

D正しい(○)。新版K式発達検査2001は,姿勢・運動領域(粗大運動:走る,飛ぶなど全身を使ったもの。*4歳以降には用意されていない),認知・適応領域(見る−対応,微小運動),言語・社会領域(聞く−対応,抽象概念,人との交流)の3つの領域で,それぞれ発達年齢 (Developmental Age), 発達指数 (Developmental Quotient) が算出できる。

【橋口(2018)追記】
 対象年齢,項目数,領域,は覚える必要があるだろう。各領域,全領域で発達指数(発達年齢÷生活指数×100)が出る。

【問題26】
 知能検査・発達検査のデータの取り扱いに関する問題である。本来であれば,数値が出ない検査の取り扱いは慎重になるべきであるが,この場合は一時保護中の子どもであり,アセスメントの結果がその後の処遇にも大いに影響する。したがって臨床心理士は,得られた情報を最大限に活用し,すみやかに見立てをしなければならない。倫理的にも実施した検査の結果は利用されるべきである。

a 適切でない(×)。数値が出たものだけを扱う姿勢は望ましくない。この場合は,なぜ言語-社会領域で数値が出なかったかを考えていくことの方が重要である。

b 適切でない(×)。短期間で言葉が出てくる保証はない。長期間にわたって一時保護所に滞在させることは望ましくない。

c 適切でない(×)。行動観察や母親の情報収集は重要である。しかし,検査を完遂できなかった場合に判定不能とするのは不適切である。新版K式発達検査2001は,部分的な検査結果からでもさまざまな仮説を得ることができるので,限られたデータを駆使して最善の支援につなげていくことが大切である。

d 適切である(○)。発語がほとんどない理由として,発達障害の要因や環境因などを総合的に検討する必要がある。そのためには一部のDQ値だけではなく,行動観察等,得られたデータを大切に取り扱っていく姿勢が重要である。

【橋口(2018)追記】
 通過した,通過しない,だけではなく,詳しく行動観察をする。

e 適切でない(×)。この場合, 発語がないことから他の検査のデータも不十分になる可能性が高い。



『臨床心理士資格試験問題集2〜4』(誠信書房)より