今回は,『公認心理師現任者講習会テキスト』には載っていないものの,なぜかブループリントには載っている用語をまとめてみた。私のまとめでは信用ならないと思うので,有名どころのものをそのまま「引用」しておいた(笑)。この色のところが,ブループリントの小項目用語である(抜けがあった場合は随時追加していく)。なお「関係行政論(40)」「基礎心理学(3)」「精神医学を含む医学(3)」「精神医学を含む医学(オマケ)」(←スマホの人はタップで飛びます)で取り上げたものは除いた。

1)生得的触発機構

なわばり,巣作り,抱卵などの定型的な行動は,単純な反射とは区別して, 本能的行動とよばれる. 内外の状況に刺激されて一連の行動を展開させる生得的触発機構という生物学的メカニズムで生起を説明することが多い(p. 163).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

2)グルタミン酸

グルタミン酸のような興奮性の神経伝達物質であれば,興奮性シナプス後電位が発生するし,γ‐アミノ酪酸 (GABA: gamma-amino butyric acid) のような抑制性の神経伝達物質であれば,抑制性シナプス後電位が発生する(p. 209).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

3)オピオイド

オピオイド(opioid)とは、麻薬性鎮痛薬やその関連合成鎮痛薬などのアルカロイドおよびモルヒネ様活性を有する内因性または合成ペプチド類の総称である。

ここより

4)異文化適応

異文化適応とは,異なる文化圏で生活する際に,その文化や習慣を理解し,社会や人々との間で調和のとれた関係が保たれている状態のことである(p. 47)。

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

5)メンタライゼーション(テキスト157頁)

メンタライゼーションとは,イギリスの精神分析家フォナギー Fonagy, P. によって提唱された概念であり,自他の行為が個人的な欲求,感情,信念などの心的状態に基づいてなされるものとして,黙示的また明示的に解釈する心的なプロセスのことをさす。この概念は自己や他者を意図や感情をもった個別の存在として認識し,その心的状態を想像できる能力としてとらえることもでき,養育者との安定した愛着形成とのかかわりが指摘されている.メンタライゼーションは内省機能 (renective functioning) 尺度を用いて個人差を測定することができる.また,境界性パーソナリテイ障害の治療法として,メンタライゼーションに基づく治療 (mentalization-based therapy) の有効性が確認されている(pp. 66-7)。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

6)エピジェネティクス(テキスト124頁:エピジェネティック変化)

胎児期から出生後早期の環境,特に低栄養環境が,青年期以降における生活習慣病リスク要因であることがわかっている [ DOHaD (developmental origins of health and disease) 仮説とよぶ]. たとえば肥満やメタボリックシンドロームなどは,遺伝と環境の相互作用によって発症すると考えられているが,胎児期から出生後早期の栄養状態は,これらの疾患に関係する遺伝子群の発現制御に影響を与えると考えられている (エピジェネティクス*).

DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびその学術分野のことをいう.

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

7)日常生活動作

АDSM-5では, 2013年に認知症が「神経認知障害」という名称に変更された。具体的な内容としては,注意実行機能,学習と記憶,言語,知覚一運動,社会的認知の障害が挙げられており,このなかの1つあるいは複数の機能が低下(*)し,自立した日常生活が送れない場合に,神経認知障害と診断される(p. 278).*日常生活動作 (ADL) が下がることで, 身体的能力の低下も懸念される.

がんそのものの病状や治療の副作用などにより,機能面や外見上の変化などさまざまな身体的障害が生じる.たとえば,痔痛,嘔吐,呼吸困難,日常生活動作 (ADL: activities of daily living) の低下などがみられる(p. 480)。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

8)司法面接(テキスト195頁)

子どもがかかわる事件,事故,虐待事案などにおいて,子ども自身に与える負担を最小限にし,誘導することなく,正確な情報を引き出す面接法として司法面接がある.司法面接は,事実確認が目的であり,心理的ケアが目的の面接とは分けて行われる供述の変遷と2次被害を防ぐため,早い時期に,自由報告を重視した面接を原則として1回行い,ビデオ録画する.定められた特定のプロトコルを用いて,対象となる子どもとのラポール (信頼関係) を築き,「最初から最後まで全部話してください」「○○と△△のあいだにあったことを話してください」「○○についてもっと詳しく話してください」「それからどうしましたか」などのオープン質問を用いて自由報告を十分に促した後,誰・何.どこといったWH質問やクローズド質問を行っていく.また,当該の子どもに対して同じような面接を繰り返し行うことがないよう,複数の関連機関が協同して面接を行う取り組みも行われている(p. ).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

9)訪問支援

アウトリーチ(*ブループリントでは「訪問支援」)とは,面接室でカウンセリングをするだけでなく地域に出かけて行う,いわば出前のカウンセリングである.前述のように,各種専門機関を訪れるハードルの高さによって,心理的問題は対応が遅れがちである.それを防ぐ゙方法の1つは,専門家が面接室でクライエントを「待つ」のではなく,クライエントが生活しているコミュニティに「出向く」ことである(p. 339).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

10)負の相補性

クライエントの問題が解決する前に,クライエントが一方的に来談を中止することを「中断」(drop out) とよぶ.岩壁によれば,欧米におけるいくつかのメタ分析による中断率の平均は42〜50%程度であり,クライエントの約半数が中断していた.また,この中断と相関をもった変数は,クライエントの人種,社会経済的地位,教育水準などであった.さらに岩壁によれば,このような心理療法の中断や失敗は「負の相互作用」,あるいは「負の相補性」(negative complementarity) とよばれる,セラピストとクライエントが互いに怒りと敵意を増幅させてしまうことによるものが多いとされている.すなわち,クライエントはこれまでに培ってきた対人関係パターンの反復として,セラピストに陰性の反応を起こすことが多く,さらにその対人的な状況を自分で対処することが難しい(p. 359).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

11)遺伝疾患・遺伝カウンセリング

遺伝性疾患の発症や発症のリスクに関連した問題を扱う遺伝カウンセリング,HIV (human immunodeficiency virus, ヒト免疫不全ウイルス) 感染症の患者への心理的援助を行うHIVカウンセリング,妊娠・出産.育児の過程をめぐる母子へ心理的援助を行う周産期カウンセリングなども臨床場面での重要な支援である.そのほかにも,難病を抱えるクライエントや再生医療を受けるクライエント,依存症 (薬物,アルコール,ギャンブルなど) を抱えるクライエントに対して,その家族も含めて支援を行うことも重要である(pp. 484-5).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

12)心理的応急処置<PFA:サイコロジカル・ファーストエイド>


 災害後の混乱のなかでの支援活動は,多職種により多次元的に行われるものであり,心理的支援についても同様である.したがって,心理専門職以外のスタッフも心理的な支援についての知識をもち,必要な対応を行うことが期待される.近年,このような問題に対して手引きやガイドラインが作成されている.いわゆる惨事ストレスなどに遭遇した際のガイドラインとしては,国連の機関間常設委員会(IASC: inter-agency standing committee) が作成した「災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関するIASCガイドライン」がある.また,心理的な問題を主とした心理的応急処置 (PFA: psychological first aid, サイコロジカル・ファーストエイド) も開発されるようになり,代表的なものとして世界保健機関 (WHO) が作成したPFAIとNational Center for PTSDとNational Child Traumatic Stress Networkが作成したPFAがある(p. 396)。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

13)災害派遣精神医療チーム<DPAT:ディーパット>

阪神淡路大震災の経験を踏まえて,災害派遣医療チーム (DMAT: disaster medical assistance team,ディーマット) が組織され,各地域において大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場で,急性期 (おおむね48時間以内) の身体的な問題に対して活動している.

さらに,東日本大震災における精神科医療チームの活動などから,災害派遣精神医療チーム (DPAT: disaster psychiatric assistance team, ディーパット) が定義づけられた. DPATは, 精神科医師,看護師,業務調整員 (ロジスティクス:医療活動を行うための後方支援全般を行う者) で構成されるが, 現地のニーズに合わせて,児童精神科医, 薬剤師, 保健師,精神保健福祉士や臨床心理技術者などを含めるとされている(p. 394).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

14)こころのケアチーム

災害・紛争などが発生した際に,精神科の応急処置や被災者のケアを行うために,精神科医を中心とした多職種で構成される精神医療チームを心のケアチームとよぶ(p. 75).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

災害・紛争などの発生時,心理師をはじめ,支援を担当する者自身も深刻なストレス状況下におかれ,二次受傷の状態に陥る可能性もある.災害時こころの情報支援センターのWebページではこころのケアチームとして働く支援者向けに災害救援者メンタルヘルス・マニュアル』が示されている.ここでは,災害支援者に生じうる心身の反応やその対処についてまとめられており,心理師が災害支援に携わる際にも有益な情報となり得る(p. 401).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

15)生活の中の治療

近年では,児童養護施設や乳児院といった施設での養育において生活の中の治療として,日常生活を過ごす中で子どもたちに対して心理面の治療を行う例が増えてきている(p. 82).


『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より


16)被害者の視点を取り入れた教育

被害者の視点を取り入れた教育:自らの犯罪と向き合うことで,犯した罪の大きさや被害者やその遺族等の心情等を認識させ,被害者やその遣族等に誠意をもって対応していくとともに,再び罪を犯さない決意を固めさせることを目的とした教育(p. 447)。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

17)動機づけ面接法(テキスト156頁)

矯正施設などで行われるさまざまな支援やプログラム等は,ある意味「義務として受けさせられる」ために,一般に支援対象者の「動機づけ」の程度はそれほど高くないことが多い.そこで,多くの施設で「動機づけ面接法」の考え方や手続きがとり入れられている.その主たる方略は,対象者のチェンジトーク (変化の希望,変化できるとの考え・変化への楽観視,変化することへの利点,変化しないことへの不安・懸念,変化に必要な行動の具体的計画など) を引き出すことであり,その際に支援者は,開かれた質問 (openended question), 是認・確認 (affirm), 聞き返し (renective listening), 要約 (summarize) などの技法を用いることが推奨される (OARSと略される).

*クリックで参照可→『動機づけ面接の思想・技法と勇気づけとの関連性』@東京アドラー心理学研究会に行ってきた

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

18)キャリアコンサルティング

キャリアコンサルティング:クライエントの能力,適性を把握し,適材適所の配属に関する助言をすることは不適応を避けることにつながる.また,終身雇用制度の時代が終わり,今後の職業生活あるいは自らの生き方について積極的に考えていくこともより重要となっている(p. 456-7).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

19)ダイバーシティ(テキスト35頁:文化的ダイバーシティ)

心理師が理解しておくべき概念にダイバーシテイ (人材の多様性) がある.ダイバーシティに含まれる属性として,性別,年齢,人種・民族,性的指向,職歴,未既婚,趣味,パーソナリティ,宗教,外見身体的能力などが該当する.さまざまな人の個性や能力を活かせる組織にすることが,企業の成長力につながると考えられる(p. 458).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

20)安全文化

安全文化安全を最優先し,実現する組織のあり方をいう.事故の原因の多くは人間のミス (ヒューマンエラー) であることから,安全に関する教育を行い,安全で効率的な手順を決めることが重要である.組織で取り組む事故防止策として, KY (危険余地) 活動,リスク・アセスメント,ヒヤリ・ハットなどが行われている(p. 466).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

21)里親縁組

里親制度は,児童相談所長が子どもの養育を里親に委託する制度である(児童福祉法第27条の1)。養子縁組を前提とする「養子縁組里親」,子どもと三親等内の親族が里親になる「親族里親」, 養子縁組を前提とせず子どもの養育を目的とする「養育里親」の3種類に分けられる。養育里親にはさらに被虐待等によって心身に有害な影響を受けることで専門的なケアに対応する「専門里親」が設けられている(p. 111)。

『関係行政論』(遠見書房)より

22)FTT(テキスト198頁)

発育不全(=成長障害<FTT:Failure to Thrive>)の原因には、器質的(内因性)原因非器質的(外因性)原因があります。器質的原因とは、医学的な原因がある場合で、例えば、ダウン症候群やターナー症候群のような染色体異常、ある臓器系の異常、甲状腺機能低下症や成長ホルモン分泌不全のような内分泌的異常、脳性まひなどの脳や中枢神経系の異常、心肺系の異常、貧血や他の血液疾患、消化不良や消化酵素欠損などの消化管系の異常、代謝異常、長期間の感染、出産時の低体重、ミルクアレルギーなどがあります。便秘、過度に泣く、過度にぐずる、などの原因もあります。非器質的原因とは環境要因で起こるもので、授乳や食事の問題、食事時間が一定していない、母乳の量が足りない、調整乳や他の食事によるカロリー摂取量が少ない、などです。発育不全のほとんどの原因がこの非器質性原因によるものです。また、器質的原因と非器質的原因のミックスしたような混合性原因もあります。

ここ」より

23)行為(素行)障害・反抗挑戦性障害・反社会性パーソナリティ障害

行為 (素行) 障害とは,「反社会的,攻撃的あるいは反抗的な行動パターン」が反復持続する障害をいう.また,反社会性パーソナリティ障害(*)へと発展することがある.反抗挑戦性障害は,法や他人の権利を侵害することはない点が行為障害と異なる.授業妨害,教師への反抗的で挑戦的な行動が持続する(p. 495)。

(*)18歳以上で診断される(15歳以前に素行症の症状がいくつかあることが必要)

*DSM-5では,反抗挑戦症,素行症ともに「秩序破壊的・衝動制御・素行症群」に入っている。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

24)発達性協調運動症

発達性協調運動症は,いくつかの運動を協応させることが困難な状態を呈すものであり,子どもの過渡の不器用さは,こうした問題が潜在していると考えることもできる(p. 275).

『公認心理師必携テキストテキスト』(学研プラス)より

25)アタッチメント障害

これまで紹介した発達に関する問題のほか,多様な発達の問題が存在する.たとえば,愛着に関する問題では,反応性アタッチメント障害ならびに脱抑制型対人交流障害は,子どもを理解するうえで重要な概念である.反応性アタッチメント障害は,養育者に対して進んで愛着 (アタッチメント)を求めることがないことを特徴とした障害で,ネグレクトとの関連性が示されている.また,脱抑制型対人交流障害初対面の大人などに対して文化的に不適切に過度に接近し交流をもとうとする特徴があるものである(p. 275).

*DSM-5では反応性アタッチメント障害と脱抑制型対人交流障害は「心的外傷およびストレス因関連障害群」に入っている。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

26)賦活症候群

㉖ 賦活症候群は,抗うつ薬の副作用の一つで, SNRI (選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)およびNaSSA (ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬) などで現れる, 神経過敏, 不安,焦燥などの症状をいう(p. 99).

希死念慮などを誘発する可能性がある。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㉗ 面会交流(テキスト103頁等)

面会交流とは,離婚後または別居中に,子どもを監護・養育していない方の親が,定期的に子どもと面会などを行うことである(p. 86)。

㉘ 実験神経症

条件刺激と類似した刺激を用いて弁別の訓練をした場合,反応が生じなくなるとともに異常な行動が生じることがあり,これは実験神経症とよばれる(p. 571).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㉙ 洞察学習

回数を重ねずに成立する学習は,認知の働きに支えられていることもある.ヒトや類人猿では,試行錯誤を経て行動が徐々に変化するのではなく,あるときに頭のなかで新しい行動を思いつき (洞察),以降はすぐに同じ行動ができるようになる洞察学習がみられる(p. 163)。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㉚ 潜在学習

げっ歯類の実験で,ゴールにエサを置いて強化すると,迷路を抜ける時間が短くなっていくが,エサを置かない試行をしばらく繰り返してからエサを置くようにすると,抜ける時間は最初からエサがあった条件にすばやく追いつく.強化されていないあいだにも頭のなかに迷路の認知地図が「学習」されていたと考えられ,これを潜在学習とよぶ(p. 164).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㉛ 社会的学習

バンデューラはこういった研究や認知心理学の考え方から,社会的学習理論を提唱した.その理論のなかで学習とは,注意保持運動再生動機づけの4つの過程からなるとした.また,自分がこれからしたい行動を適切に行って成果を手にできるという認識や信念である自己効力感の役割を重視している.社会的学習理論もまた,心理臨床への応用が可能である.認知行動療法の一種としても位置づけられるソーシャルスキルズトレーニング (SST: social skills training) は,特定の社会的スキルを含む行動をモデルが演じるのをみて,まねてみるリハーサルを行い,適切ならほめるなどのフィードバックで強化していくもので,精神障害者の社会復帰支援などに用いられている(p. 166).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㉛ 社会的認知

人が他者や自分自身,また,社会のさまざまな環境を理解し,評価する過程のことを社会的認知とよぶ.印象形成や対人認知,原因帰属などが含まれる(p. 44)。

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㉜ 社会的感情

社会的感情とは,他者との関係において生じる感情のことであり,自己意識的感情ともよばれる.,罪悪感,妬み,誇りなどがあり,これらは,自分の思考,意図,行動についての自己に対するフィードバックとなり,自己制御的な機能をもつ(p. 45).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㉝ 社会的動機

飢えや渇きといった生理的動因に基づく動機とは異なり,他者との関わりにおいて形成される動機を社会的動機とよぶ.主要なものとして,達成動機親和動機がある(p. 45).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㉞ 対人認知

対人認知とは,他者に関するさまざまな情報をもとに,相手の性格や意図などを判断したり,行動を予測する働きのことである(p. 45).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㉟ 社会的推論

自己や他者を含むさまざまな社会的事象に関して行う推論を社会的推論という.社会的推論の研究では,推論のエラー, バイアス, ヒユーリステイックス (経験則)などを扱う(p. 45).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊱ 自己過程

自己に対する理解や評価そして自己の他者への呈示といった自己に関連する様々な現象や一連の心理過程を自己過程とよぶ.自己過程は,自己への注目把握評価表出の4つに区分される(p. 44).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊲ 文化的自己観

文化的自己観とは,人々の間で共有されている文化的習慣や価値観によって作られた「人間とはこういうものだ」という考えである.人は何事からも独立した存在であると考える「相互独立的自己観」と,人は他者との関係性から存在していると考える「相互協調的自己観」がある(p. 47).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊳ 素朴理論

素朴理論は,素人や一般の人日常経験の中で構成する知識体系 (概念) のことである.子どもも同様に,それまでの経験によって形成したものごとや事象についての理論をもっているとされる(p. 47).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊴ 親としての発達

成人期には職業生活をスタートさせ,多くの人は恋愛・結婚をして,家族を形成し子どもを育てる.親から自立して新しい家庭を築くことで,今度は自分自身が親としての発達をとおして子どもの発達を援助することになる.また,社会においては,自分が就いた職業においてキャリアを積みつつ,次の世代を育てていくことが求められる(p 257).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㊵ 中年期危機

中年期は,特有の心理的危機に直面する時期でもある.こうした危機とあわせて体力の衰え・仕事の限界感・家族の変化などに伴う,中年が陥りやすい葛藤状態などは,中年期危機とよばれる(p. 53).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊶ 構成主義(*おそらく構成心理学のこと)

ティチナーの構成心理学では、心理学の主題は意識的経験にあるとして、意識を最も単純な要素へ分解し、そのような要素が連合する法則を見いだしたり、その要素と生理学的条件とを結びつけたりすることが心理学の本質的問題であると考えた。テイチナーは意識的経験を基本的要素へと還元することに興味があったので、ヴントのように統覚へと総合していく体系に対しても反対していた。それでは感覚や感情やイメージ以外のことは研究できないではないかという批判に対しては、それは構成心理学のテーマではないので感知しないとしていた(p. 25)。

『心理学検定基本キーワード集 改訂版』(実務教育出版)より

㊷ ゲシュタルト心理学

ゲシュタルト心理学には大きくグラーツ学派とベルリン学派という2つの学派があり、どちらの学派も知覚過程におけるある種のまとまりを中心に研究を進めていた。ブレンターノの影響から、刺激がどのように知覚されるかよりも、刺激をどのように知覚しようとするのか、という心の働きのほうに関心があったのがゲシュタルト心理学者だといえる。

古いほうのグラーツ学派はオーストリアのグラーツ大学を中心に組織されていたが、その中に「ゲシュタルト質について」(1890)という論文で初めてゲシュタルトという用語を使った工一レンフェルス(Ehrenfels,C.)がいた。エーレンフェルスは音楽の問題を取り上げ、メロディーを構成する個々の音という要素と、メロディーとしての音とに異なる価値を見いだした。あるメロディーを移調すると、個々の音は変わってしまうが、メロディー自体は同じように知覚できる。その原理として、個々の音の総和にゲシュタルト質が加わるからだと考えたのである。この問題に対して、より実験的なアプローチを試みたのはドイツのベルリン学派のゲシュタルト心理学者である.

ヴェルトハイマ一 (Wertheimer, M. )は1912年に発表した論文の中で、単純な図形の長方形をスクリーン上に最初はそのまま水平方向に、次はさまざまな時間間隔を空けて45度ずれた方向に呈示すると、ある最適な時間間隔(100分の数十秒)のときにだけ、四角形が起き上がるように見えることを見いだした。この最適時間間隔のときには物理的に存在しないはずの途中の部分を補った完全に滑らかな運動が知覚されるが、呈示時間が短すぎると2つの図形は同時に存在するように知覚され、長すぎると交替して登場するように見えるだけでいずれも運動は認められなかった。ヴェルトハイマーはある最適時間間隔で呈示するときにのみ生じるこの現象仮現運動と名づけた。仮現運動は実在する運動ではなく現象にしかすぎないので、現象 (phenomenon) という単語の最初のギリシア文字ファイ(の)を取って、ファイ現象とも呼ばれる。

ものがどのようにまとまって見えるのかについて、ベルリン学派はプレグナンツの原理という法則のようなものを提唱した。この原理の発見のきっかけとなったのは、ヴェルトハイマーのイニシャル(MとW)を重ねた刺繍を見たときに、文字が認識されなかった体験である。なぜ文字ではなく閉じた中央のひし形の図形のほうが強く印象に残るのかについて、ヴェルトハイマーらは似たような現象を分析していき、連続の要因近接の要因閉合の要因類同の要因など、私たちがものをまとめて知覚する際の隠れた要因(ゲシュタルト要因)を見いだした。

ゲシュタルト心理学の中心的な考え方の中に、恒常仮定への異議というものがある。感覚生理学や精神物理学を研究していた19世紀の学者の多くは、特定の長さの波長が特定の色知覚を生じるといったように、個々の物理的事象と心理的体験(感覚・知覚)との間に1対1の対応関係を仮定していた。これが恒常仮定であるが、ゲシュタルト心理学者はこれを否定していた。白い紙を暗い部屋で見ると、客観的にはかなり灰色のはずが白いままで見えるといった知覚の恒常性については、このような明るさの恒常性をはじめとして、大きさの恒常性形の恒常性などが知られている。ゲシュタルト心理学では、こうした知覚の恒常性の現象は安定した知覚世界を成立させるために必要なものであると考え、知覚は物理的刺激によって生じるというよりも、体制化された脳の活動が知覚を生じさせるのだと論じた。まったく同じ最小単位の要素から構成される物理刺激(例:●●●●)を呈示しても、その刺激の配置の差がまとまりの差となって知覚される(●● ●●は先の例とはまとまりが異なって知覚される)ことは、知覚の要素主義的解釈に反するものである。

こうしたゲシュタルト心理学の考え方は、知覚以外に学習心理学や社会心理学の領域にも影響を与えた。たとえば、ベルリン学派のケーラー (Kohler,W.) はチンパンジーの洞察学を報告して、試行錯誤学習のような連合主義的な学習理論に対して異を唱えた。またレヴィン (Lewin, K.)は物理における場理論を人間の行動に応用して、人々の環境における配置などが個人の行動に与える影響を論じ、集団力学(グループ・ダイナミックス)という領域を発展させた(pp. 30-1)。

『心理学検定基本キーワード集 改訂版』(実務教育出版)より

㊸ 体性感覚(=自己受容感覚)

体性感覚は、ここで述べている皮膚感覚のほか、深部感覚内臓感覚を含む。深部感覚とは、骨格筋
や関節からの入力で、姿勢や運動の知覚、そして反射弓を形成する(p. 207)。

『心理学検定基本キーワード集 改訂版』(実務教育出版)より

㊹ 知覚の可逆性

脳損傷により,感覚機能が弱くなったり,喪失した場合,ほかの感覚機能をつかさどる脳領野が柔軟に変容し,その機能を補完するようになる.このような脳の柔軟な機能再建を知覚の可塑性 (脳の機能代償)という(p. 21).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊺ 嫌悪条件づけ(=恐怖条件づけ)

嫌悪刺激をUSとした古典的条件づけで、恐怖条件づけともいう。ワトソンはネズミを恐れない生後11
か月のアルバート坊やに、白ネズミをCS、大きな音(アルバートは驚いて泣く)をUSとして古典的条件づけを行った。アルバートは白ネズミを怖がるようになっただけでなく、白ウサギやサンタクロースの白ひげも怖がるようになった(刺激般化)(p. 46)。

『心理学検定基本キーワード集 改訂版』(実務教育出版)より

㊻ 社会的認知理論

社会的認知理論とは,人間は環境に積極的に働きかけながら個人的な構成概念 (コンストラクト)を構成し,それによって社会を解釈し,認知していくというものである.また,社会的認知理論では自分自身を解釈するために用いる個人的構成概念=パーソナルコンストラクトも重要な位置づけとなる(p. 33).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊼ サーカディアンリズム

サーカディアンリズム (概日周期) は,ある行動を日出と日没に関連した約24時間周期と同調させる現象である.たとえば,動物がもつ睡眠一覚醒サイクルがある.このリズム形成には,視床下部の視交叉上核(しこうさじようかく)が関わっている.

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊽ 社会的影響

個人や集団成員の態度,意見,行動が,他者や集団からの影響によって変化する過程のことを社会的影響という.同調,集団成極化,少数派の影響,社会的促進などがある(p. 43).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

㊾ TEACCH(treatment and education of autistic and related communication handicapped children)

ASDの特徴に合わせた内容 (たとえばものごとを構造化するなど) から構成され,当事者と当事者家族を生涯にわたり支援することを目指したプログラムである.支援者には,心理師や専門家のみならず,地域社会も含まれており,包括的な内容となっている(p. 293).

*テキストでは用語だけ出てくる。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

㊿ 回想法

1960年代にアメリカの精神科医ロバート・バトラー氏が提唱した心理療法過去の懐かしい思い出について「話す」「聞く」「コミュニケーションをとる」という行為で脳が刺激され, 認知症予防認知症の進行を遅らせることができる.また,精神状態を安定させる効果が期待できるため, 高齢者のうつ病予防に用いられることもある(p. 419).

*臨床心理士資格試験では「心理検査」(☓)としてよく出題されている。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

51)ナラティブアプローチ

個性記述的アプローチでは,面接法や,対象者の書き記したものなどを用いて,質的に,その「個性」をとらえようとする.このように主観的側面含めてパーソナリティを理解しようとすることを「ナラティブアプローチ」(narrative approach)とよぶ(p. 190).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

52)人間心理学的アプローチ

人間心理学的アプローチとは,個人の人生の主観的な体験を重視し肯定する立場である.その主な方法論である個性記述的アプローチにおいてナラティブアプローチの手法を用い,面接法や対象者の書き記したものなど,主観的側面を含めて,質的にその「個性」を捉えようとする(p. 35).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

53)社会的ネットワーク

社会的ネットワークとは,個人がもつ対人的なつながりのことであり,その豊かさは,当人の身体的,精神的な健康に影響を与える(p. 44).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

54)養育信念・家族の情緒的風土

子どもの情緒的発達において, 養育信念 (養育者のもっている子どもに対する見方,考え方) や養育態度,また家族の情緒的風士 (夫婦関係の良好さや家族の表出性のポジティブさなど) が与える影響は大きい(p. 46).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

55)夫婦間暴力・家族再統合

ただし,この心理的支援の対象は,子どもだけでなく,親も含む.たとえば親による虐待の原因に,家庭の貧困や夫婦間暴力 (DV, IPV) など親自身が抱える心理的課題が存在することが多い.そういった場合に,子どもたちへの支援だけでは,課題解決が難しくなる.子どもたちは家庭での生活が前提となるため,上記のような不適切な教育につながる要因をできるだけ減らすためにも親への支援も並行して実施する必要がある.また,児童養護施設や乳児院に入所する児童の家庭復帰 (家族再統合) や,里親制度および将来的な養子縁組制度の利用に向けた支援の場合にも,親子関係調整とアセスメントが必要となる(p. 410).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

56)ジェンダー

ジェンダーとは,特定の社会が男性または女性にふさわしいと考える役割行動,態度を表すときに用いる表現である.生物学的性差とは使い分けられる.それ自体に良い悪いの価値判断は含まれない(p.51)

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

57)セクシュアリティ

セクシュアリテイとは,性行動に関する個人の選択や,性に関連する行動・その傾向を示す概念である(p. 51).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

58)健康寿命

平均寿命より,日常生活に制限がなく,健康的に社会活動ができる健康寿命の差の拡大が,現代社会の課題となっている(p. 55).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

59)ペアレントトレーンング

ADHDに対してエビデンスが示されている心理療法は,行動的ペアレント・トレーニング,行動的クラス・マネジメント,行動的仲間介入,行動的介入の組み合わせ,整理トレーニング (organization skills training) である. 整理トレーニング以外は行動療法をベースとしており,行動療法で用いられる問題解決方法を保護者に教えて,子どもに対して実施してもらうのが行動的ペアレント・トレーニング学校の教師に教えて子どもに実施してもらうのが行動的クラス・マネジメント,クラスの友人に教えて対象の子どもに実施してもらうのが行動的仲間介入である.整理トレーニングは教材などの整理整頓,時間管理,提出物の管理などの方法を子どもに教える支援方法である(p. 292).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

60)援助要請

対象者の特性や状況をふまえ,援助要請に応じた最も適切な支援を選択し,実行する必要がある.対象者が精神病圏にある場合や,子どもである場合には,その関係者・家族との話し合いとともに,実行・修正.また実行を繰り返して行う(p. 67).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

61)作業同盟

作業同盟とは,治療同盟ともよばれ,侵襲性の高い技法において,お互いに一定の心理的距離を保ちながら信頼関係の中でしっかりと取り組んでいく関係のことである(p. 68).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

62)包括的アセスメント

主に終末期を迎えつつある高齢者を対象とした,生活ケアや死後のグリーフケアでは,医療的ケアなどと合わせた包括的アセスメントが求められる(p. 81).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

63)組織風土と文化

組織風土とは,企業風土,社風ともいわれ,ほかの組織と区別されるような独自の特性をさす.組織構成員が直接的あるいは間接的に知覚し,彼らの考え,感情動機づけに影響を与える要因である.一方, 組織文化は企業文化ともいい,企業理念, 経営のあり方,さまざまなルールなどからなり,組織構成員の仕事の進め方に直接影響する要因である(p. 465-6).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

64)作業療法

狭義の作業療法は,農耕,牧畜,木工,手芸などのような生産的な作業を指す.広義の作業療法はさらにレクリエーション療法,生活指導なども含める(p. 97).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

65)逃避・回避学習

電気ショックなどの有害な刺激を避ける行動を逃避といい,有害な刺激に対して特定の反応を行うことで,事前に避けることができるようになることを回避学習という(p. 25).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

66)一貫性論争

ミシェル Mischel, W. は,行動のどのような状況でも一貫性があるのか,どのような状況でも存在するパーソナリティ特性はあるのかという疑問を投げかけて,一貫性論争 (人間一状況論争) を引き起こした(p. 34)。

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

67)道徳性(テキスト269頁)

<ピアジェ>
 ピアジェは,子どもの道徳性の発達を3段階に分け,「自己中心性」段階から「他律的道徳」段階へ,そして「他律的道徳」段階から「自律的道徳」段階へと発達すると考えた.
 5,6歳ごろまでの子どもは,自己中心性に特徴づけられ,自己と他者の区別がつかない.そのため,まわりにあるすべてのものを自分のものだと考えるなど,規則についてほとんど理解していない.5,6歳頃になると,規則は,たとえば両親のような重要な他者によって決められていると思い,規則を絶対的に服従しなければいけないものと考えている.
 善悪の程度は,意図ではなく行為の結果によって判断する.それが10歳以上になると,適正な手続きとまわりの合意があれば,規則の変更を認めるようになるなど,より柔軟な考え方ができるようになる.行為の背景にある意図を基準に,善悪の判断ができるようになる(p. 262-3).

<コールバーグ>
 ピアジェの道徳性の発達段階は,児童期までにとどまっていたのに対して,コールバーグは,青年期成人期も含めた道徳性の発達を考えた.コールバーグは,生命や法,良心,罰といった普遍的価値が葛藤するストーリー(ジレンマ課題)を用いて,道徳性の発達を捉えた.下記のジレンマ課題は,最もよく知られている「ハインツのジレンマ課題」である.
 コールバーグは,判断それ自体ではなく,なぜそう判断するに至ったかの「行為の理由づけ」によって,道徳性の発達を以下の段階に分類した.
 前慣習的な水準では,「盗んだら刑務所に入ることになるから盗んではいけない」というように,罰に対する恐れや,「薬を手に入れることによって妻が喜ぶから盗んでもよい」というように,報酬を手に入れることによる自己や他者の欲求に価値がおかれる.
 慣習的な水準では,「盗まなかったら,周りから奥さんを見捨てた冷たい人間だと非難されるから」というように,人からどう見られるか(避難や不名誉を避ける),あるいは「法律を守らないのはいけないから,盗んではいけない」のように,その行為が社会的秩序を壊さないかどうかを基準とする.
 最後の脱慣習的な水準は,「生命の価値は社会の定めた法律を超えたところにあり,何より尊重されるべきものだ.もしハインツがここで薬を盗まなかったら,一生,良心の呵責にさいなまれるだろう」というように,みずから選択した倫理的基準に従うなど,人間の尊厳や正義,良心にかなっているかどうかを基準とする(p. 263-4).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

68)社会的ジレンマ(テキスト265頁)

自己の利益を図る個々人の合理的選択の集積的結果として,究極的に集団全体が窮することを社会的ジレンマ (social dilemma) という。より正確には,社会的ジレンマは,仝帖洪佑篭力または非協力行動のどちらかを選択する,個々人にとっては協力行動よりも非協力行動をとる方が望ましい結果を得る,しかし全員が自分にとって有利な非協力行動をとると,そろって協力行動をとった場合よりも望ましくない結果が生起するというものである。だが非協力行動は短期的には個人に得をもたらすから,「みんなのことを考えよう」というお説教ではことは解決しない(p. 340)。

『心理学 新版』(有斐閣)より

69)印象形成

アッシュ (Asch,1946) は,たとえばある人物を記述して紹介する際,その性格特性として,ある一群の被験者には「知的な−器用な一勤勉な−温かい−決断力のある−実際的な−用心深い」という形容詞のリストを示し,他の一群の被験者には,「知的な−器用な−勤勉な−冷たい−決断力のある−実際的な−用心深い」という別のリストを示した.これら2つのリストは,「温かい」と「冷たい」という部分
が異なっているだけであるが,話題としている人物について作り上げられた全体印象は,前者のほうがずっと好意的であった.アッシュは,「温かい」「冷たい」という形容詞がいわば核となり,これを中心にして他の語がまとめられて(体制化されて)人物の全体的な印象が形成されると考えた.これらの特性を中心特性という.一方,リストの中の「温かい」の代わりに「礼儀正しい」「冷たい」の代わりに「無愛想な」という形容詞を用いた場合には,話題となった人物に対して形成される全体印象には大きな違いはなかった.このように,印象形成の過程にあまり影響を及ぼさない特性を周辺特性という(p. 272).

『心理学 第5版』(東京大学出版会)より

70)帰属

社会的環境における種々の出来事を,われわれはしばしば因果的な観点からとらえようとする.たとえば,「○○の出来事が生じたのは誰それのせいだ」「△△のような結果になったのは自分のせいだ」など,本来はあいまいな因果関係を,このような特定の原因に帰する (attribute) 過程を帰属過程 (attribution process) という(p. 273).

『心理学 第5版』(東京大学出版会)より

論理的過誤(ある特徴があるとそれと論理的に関係のある特徴をも持っていると見なす傾向)、基本
的帰属の錯誤
(他者の行動に対する帰属の際に、行為者の態度などの内的要因を過大視する傾向)、行為者一観察者バイアス(好ましくない他人の行為は本人の内的要因に、自己の行為は環境に帰属する)、コントロール幻想(偶然を自分の意図と能力によって統制可能と錯覚)(p. 129)。

『心理学検定基本キーワード 改訂版』(実務教育出版)より

71)リエゾン精神医学

リエゾン精神医学では,精神科専門治療の必要性を早期に発見し,早期に治療を行うことにより症状の緩和や早期退院を促進することが目的となる (リエゾンはフランス語で「連携」を意味する).ここでは,精神科医やリエゾン看護師,薬剤師,精神保健福祉土作業療法士, 心理技術職などの多職種が連携しながら治療・支援が行われる.なお,こうした多職種連携の形は精神科リエゾンチームとよばれる(p. 73).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

72)誤学習

発達障害をもった者が,社会に適応するために,誤った適応方法を学び実践することを誤学習という(p. 78).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

73)衝動制御困難

突発的に自分または他人に対し危害を加える行為を抑えることができない障害を,衝動制御困難という(p. 79).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

73)感情制御困難

本人にとって,とても辛い感情を何らかの手段で調節しようとしてもうまくいかず,暴言や暴力,自傷などで生活に支障を来すことを感情調節困難という(p. 79).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

74)愛着形成の阻害

子どもの成長過程の中で,親や周囲の者との関わりが不適切であった場合,愛着形成が阻害され,その後の成長発達に悪影響を及ぼす(p. 78)。

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

75)基本的生活習慣の未熟さ

基本的生活習慣が未熟な状態とは,子どもが睡眠食事,排泄,清潔,衣類の着脱など,日常生活を送るうえで基盤となる行為や社会規範などを十分に学ぶことができないまま成長した状態をいう(p. 78).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

76)セルフモニタリング

自分自身の行動や生理学的変化,心理学的変化などをモニタすることをセルフモニタリングとよぶ。たとえば,毎日起床後に体重計に乗り,体重を測定・記録するなどがセルフモニタリングの例である(p. 574)。

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

77)心の理論(テキスト269頁)

人間は,他者の「こころ」の状態をどれだけ理解し,推量することができるだろうか.また子どもは,他者の「こころ」の状態を何歳頃になったら理解し,推量することができるようになるのだろうか.これは前項の自己意識の問題と関連し,社会行動や人間の行動一般の理解にとっても重要な問題である.このような問題は,最初,チンパンジーがヒトの「こころ」を理解できるかどうかの研究として,プリマックら(1978)によってはじめられた.その結果,チンパンジーが種々の実験場面で,ヒトの「こころ」の状態を理解できることが見出された.ヒトや動物が(異なった動物種間を含めて)他者の「こころ」の状態(目的,思考,意図,信念など)を理解し推量する働きを比ロ前的に「心の理論」と呼んでいる.この問題は,他者の「こころ」や自己の「こころ」についての理解や,メタ認知(自己の通常の認知活動を監視して,目標に沿って制御する認知の働き)の問題とかかわりをもち,幼児の認知発達を明らかにするための重要な課題である.通常,トピック2−9のような「誤った信念の課題:誤信念課題」または「サリーとアンの課題」と呼ばれる実験を通して,子どもが他者(サリー)の考えや信念を推量できるか否かを調べる.「サリー(人物A) はビー玉(対象物X) がカゴ(場所Y) にあると思っているか?」をたずねると,被験児は4歳頃までに正しく答えることができるようになる.これは一次的課題と呼ばれる.それに対して,複雑にした状況を設定することができる.すなわち「『人物Aは対象物Xが場所Yにあると思っている』と人物Bは思っているか?」というように入れ子状にした課題を,二次的課題という.このような課題に正答できるのは,健常児でも4〜7歳頃になってからである(p. 42-3).

『心理学 第5版』(東京大学出版会)より

78)療育(テキスト148頁など)

療育とは,言葉や身体機能など発達の遅れのみられる子どもに対して,社会的に自立できるように取り組む治療と教育のことを意味する(p. 59).

『公認心理師国試必須センテンス』(学研プラス)より

→ 知的障害に関しては,法律「知的障害者福祉法」に知的障害がどのようなものか明記されておらず,法律上の定義は定められていない.しかし,厚生労働省が実施した「知的障害児 (者) 基礎調査」では,「知的機能の障害が発達期 (おおむね18歳まで) にあらわれ,日常生活に支障が生じているため,何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義し,知的機能の障害を判断する基準としては知能指数がおおむね70までとした.このように「知的障害」を, 知能指数が70くらいまで, 18歳くらいまでに障害が生じている, 日常生活に支障が生じている,という3つの要素からとらえていることがわかる.児童相談所 (18歳未満) , 知的障害者更生相談所 (18歳以上) で知的障害であると判定されると療育手帳の交付を受けることができる.知的障害の判定は各都道府県が基準を定めているため,申請する都道府県によって療育手帳交付の基準は異なる(p. 285).

『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より