敲神26年(2014年)臨床心理士資格試験過去問題集4・問題28】(誠信書房)

WISC-乎稜集〆困4つの群因子(知覚推理,処理速度,言語理解,ワーキングメモリー)指標と下位検査に関する次の組み合わせの中から,正しいものを一つ選びなさい。

 <知覚推理> <処理速度> <言語理解>  < ワーキングメモリー>

a  行列推理    数唱    語音整列      絵の抹消
 
b  絵の抹消    算数     単語        類似  

c   符号    積木模様    知識       語音整列

d  絵の概念   記号探し    理解        数唱

e  積木模様   絵の完成    類似       語の推理 


◆敲神27年(2015年)臨床心理士資格試験過去問題集4・問題48】(誠信書房)

子どもの発達検査に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から,正しいものを一つ選びなさい。

A.WISC-犬蓮っ療発達のいくつかの領域間における個人内差を明らかにすることができる。

B.新版K式発達検査2001の適用年齢は,就学前の年齢 (0〜6歳)である。

C.WISC-犬蓮じ生賤解,注意記憶,知覚統合,処理速度の4つの指標得点を算出できる。

D.新版K式発達検査2001は,姿勢・運動領域,認知・適応領域,言語・社会領域それぞれの発達年齢,発達指数を算出することができる。










ここからは心理的アセスメントと支援編に入る。

『公認心理師現任者講習会テキスト』には,心理検査の具体的な内容はまったく書かれていない

なので,心理検査が出るのかどうかも判らない

ただ,ブループリントには,小項目に「心理検査」,「質問紙法」,「投影法」,「描画法」,「作業検査法」,「知能検査」,「発達検査」の文字はある。

個別具体的ではないのかもしれないが,「有名所は」必要最低限のところだけおさえておくことにする。

まあ,普段,心理検査に係わっている人には「どうということはない」(シャア)






なのかもしれないが,そうでない人(私のことだ)は大変な部分になってくるだろう。

例によって臨床心理士資格試験の過去問からあたってみよう。

なお,『投映査定心理学特論』(放送大学出版会)には,小川(2011)が行った心理検査使用頻度調査のようなもののベスト20が載っているので,適宜,順位も紹介し,最後に抜けのあったベスト20も取り上げる(小川先生は,公認心理師試験作成委員の副委員長というところがポイントである)。

『投映査定心理学特論』(放送大学出版会)p. 84

なお,WISCは,ご覧のように使用頻度2位(小川,2011)である。


【問題28】
 
発達障害児に関わる心理臨床場面や学校臨床において,発達障害児の障害特性や発達ニーズに応じた個別対応の重要性が指摘されてきている。したがって,こうした理解を深める心理アセスメントとして,従来から活用されてきたWISC-恵稜集〆困ら,最近では新たな理論(*CHC理論のこと)を踏まえたWISC-乎稜集〆困活用される場面が増えてきている。WISC-戸解の基本となる4つの指標に関する出題を通して,知能検査に必要なIQへの視点から障害特性への理解の視点の重要性を意図した出題である。

知覚推理絵の概念は知覚推理に該当する。
処理速度記号探しは処理速度に該当する。
言語理解理解は言語理解に該当する。
ワーキングメモリー数唱はワーキングメモリーに該当する。

以上の理由から,
a,b,c,eは誤りで,正答はdとなる。

【橋口(2018)追記】
過去問では,この問題がWISC-現蘚仂譴里茲Δ澄H売が2010年なので,4年後にようやくという感じである。なおWAISは4が2018年に出るようだが,いつから出題されるようになるのかは不明である。

wisc-wais

*図はWISC-犬魎靄椶箸靴燭發痢カラーがWISCでグレーがWAIS-である。

*双方向の矢印でWISCとWAISが入れ替わる。

*ただし正確には,WAISではワーキングメモリーは作動記憶,知覚推理は知覚統合であり,WISCでは絵画完成は絵の完成(補助検査)である。

*WAISでは言語性知能と動作性知能があるがWISCではない(確認的因子分析で適合度が悪かったらしい)。

*この4つは平均100,標準偏差15になっている(23点差で「差がある」と判定)







*とにかく「絵の概念」(江頭),「行列推理」(江頭の行列)で覚える(*万人向けではない)。

*厄介なのは「絵の完成」で,WISCでは,知覚推理の補助検査であり,WAISでは「絵画完成」として知覚統合の検査だというところだろう。

【問題48】
 
知能のアセスメントに関する基本的な知識として,児童でよく使用されるWISC-犬反携K式発達検査2001を取り上げ,そこで測定できるものとその意味の理解を問う問題である。

A 正しい(○)。ウェクスラー知能検査は,例えばWISC-犬任4つの指標得点にみられるように,個人内での知的能力の差の有無を明らかにできるところに特徴がある。

B 誤り(×)。新版K式発達検査2001の適用年齢は,0歳から成人まで延べ328項目で構成されている。

C 誤り(×)。WISC-犬了愽呼静世蓮言語記憶(ママ)(Verbal Comprehension Index),ワーキングメモリ (Working Memory lndex),知覚処理 (ママ)(Perceptual Reasoning lndex),処理速度 (Processing Speed lndex)の4つである。

D 正しい(○)。新版K式発達検査2001は,姿勢・運動領域,認知・適応領域,言語・社会領域の3つの領域で,それぞれ発達年齢 (Developmental Age),発達指数 (Developmental Quotient) が算出できる。

【橋口(2018)追記】
新版K式発達検査2001は別の機会に取り上げる(*保護者に聞くのではなくちゃんと直接測定する,適用年齢が広い,5歳未満の子どもの発達指標をいう意味で知能検査の代わりになる(確かそうだったような))。

<K式用ゴロ>
(姿)(運)転に(認)(適)した現(言)代社会(社会)。

<言語理解ゴロ>
げ!(言)(類)ー足(単)(理)ない!」けど(知)くで過ごす(語推)。

<知覚推理ゴロ>
近く(知覚)の積木(積木)江頭(絵概)を行列(行推)して完成(絵完)。

<ワーキングメモリーゴロ>
(ワ)れた寿司(数唱)の御恩(語音)は算数(算数)で返す。

<処理速度ゴロ>
処理速度の遅い2号(符号・記号)機を抹消(絵の)。

以上の理由から,
a,b,d,eは誤りで,正答はcとなる。

臨床心理士資格試験問題集 4: 平成26年~平成28年
誠信書房
2018-04-05







では解説に入ろう。

ただ,心理検査に関しては,あまり詳しく書きすぎると,アレらしいので,具体一歩手前で止めておくつもりである(笑)。

あと,間違いや補足があるときは,ぜひコメント欄にお書きいただきたい。

上で見たように,臨床心理士資格試験に関しては,今のところは,単に4つの指標の下位検査は何かを覚えている程度で大丈夫なレベルのようだ。

しかし,それではあまりになんなので,ちょっと解説を加えておこう。

まず適用年齢は,5歳0ヶ月から16歳11ヶ月である(WAIS-掘2006年発売)は16歳から89歳)。

なんとも中途半端な数字に思えるのは私だけなのだろうか(笑)。

まあ,それはそれとして,

【図0】
wisc
これが,WISC-犬料澗凌泙任△襦弊嶇箸犬ら加わったもの。四角は基本検査(10個),点線四角は補助検査(5個)。

(補助検査による代替は基本検査による得点換算に支障のある3つの場合に限られる。

(1)基本検査が何らかの理由で無効になった場合

(2)障害がある子どもで補助検査の方が適していることが明らかな場合

(3)基本検査の粗点が0点の場合)

図0は,尺度作成をしたことがある人は解るだろう(適合度,気になりますね)。

四角が項目,楕円が因子に相当するわけだ。

これだけだと査読で,「何で4因子を想定したのか,その根拠は?」とか,「全体得点(全検査IQ)を出しても良い根拠は何か?」と突っ込まれるので,その対策が必要である。

その対策(でもないのだが)がCHC理論なわけだ(後づけらしい)。

C:キャッテル・・・「一般因子(g)は結晶性知能と流動性知能の2つに分かれる。」

H:ホーン・・・キャッテルの弟子。「2つの因子は確かにそうだが,g因子はまだまだたくさんの能力で構成されている。」

C:キャロル・・・「メタ分析によれば,一般知能,広範能力,限定能力の三層構造のようだ。」

*しかし,それでも4因子の根拠としては弱いのではと思うのは私だけなのだろうか。

*5因子が「狙い」らしいので,WISC-垢廊垢覆世韻法福?)5因子にしたいところなのではないか。

まあ,それはそれとして,図1の解説に入ろう。

【図1】
*しばしお待ちください。
『日本版WISC-犬砲茲詒達障害児のアセスメント』(日本文化社)より

【図1の解説】
粗点
・・・ここにはないが単に採点したもの。

評価点・・・粗点を,平均10標準偏差3の正規分布になるように変換したもの。

*平均10は解るが,何で標準偏差を3にしたのか。5の方が区切りが良くないか。

・差は1.5SD,つまり,3×1.5=4.5,5点差で,「差がある」と判定。

*なぜ1.0SDとか2.0SDとかではないのか。

→ 項目(図0の四角)間の差を見るのに使う。

→ (1)図0の四角の各項目(例:類似)の「強い」「弱い」と判定するときに用いる(下位検査プロフィール:図として載せていないので,ご想像におまかせします)。

→ (2)同じ因子内の項目間に(5点)差があると,その因子は解釈が難しくなる。またそれに伴い全検査IQの意味も怪しくなる(数唱2点,語音整列8点 と 数唱8点,語音整列2点 のワーキングメモリは共に10点となるが,それは同じワーキングメモリなのかどうか。敷衍すると全検査IQと4つの指標にも同じことが言える)。

合成得点・・・粗点を,平均100標準偏差15の正規分布になるように変換したもの。図0の楕円の数,つまり7つある。

(*平均100は解るが,何で標準偏差を15にしたのか。10の方が区切りが良くないか)

・差は1.5SD,つまり,15×1.5=22.5,23点差で,「差がある」と判定。

→ 因子(図0の楕円)間の差を見るのに使う。

→ 因子間に差(23点)があると,より上位の因子の解釈が難しくなる(当然,全検査IQも)。

パーセンタイル・・・得点を低い方から並べたときの順位を%で表したもの。90%タイルなら,その子よりも得点の低い子が90%いることになる。つまり高いほど知能が高い(!?)。

信頼区間・・・90%信頼区間は,90%の確率で得点が位置すると推定される範囲となる。

記述分類・・・69以下:非常に低い,70〜79:低い(境界線),80〜89:平均の下,など7分類。

→ 医学的診断ではない。

→ 知的発達症に関しては,DSM-垢任蓮IQによる重症度分類がなくなり,社会生活・日常生活の能力で分類することになった。なお,ICD-10の基準は以下の通り。

         (国)(東京都)

最重度 20未満   A   1度

重度  20〜34   A   2度

中程度 35〜49   B   3度

軽度  50〜69   B   4度
 
*国は「重度」をA,それ以外をBと指導している。

*知的障害の等級決定は,IQと日常生活の困難度を総合的に判断する。

*自治体によっては,75未満で軽度とするところもある。

*70未満(つまり,2SD未満)だけは統計的だが,なぜかあとはそうなっておらず,逆に20から上がるようにして1SD(15)ずつ上がっている。

*なお,幼児はDQで算出したりするが,数字は上記と同じ。もしかすると,ここで新板K式発達検査2001が登場するのかもしれない。

次は図2である。

【図2】
*しばしお待ちください。
『日本版WISC-犬砲茲詒達障害児のアセスメント』(日本文化社)より

図2は視覚的に把握してパターンを掴むためにあるような。

なお,特定の障害に特有のパターンというのはないようである。

最後に図3である。

【図3】
*しばしお待ちください。

『日本版WISC-犬砲茲詒達障害児のアセスメント』(日本文化社)より

【図3】
指標得点・・・図3で使う。合成得点の言い換え。基本4つ(7つにもなる=2つは任意解釈)。

4つの指標で2つの組を作るということで,4×3  ÷ 2×1 = 6 で 6通りの組み合わせがある。

まず各指標の意味から,

<言語理解>
・言葉が意味する内容や性質を考える力(言語概念形成)
・語彙の知識
・社会的ルールや一般的事実に関する知識(一般的知識)
・言語情報に基づく推理

<知覚推理>
・視覚情報の処理
・非言語(視覚)情報による推理

<ワーキングメモリー>
・ワーキングメモリー

(オマケ:ワーキングメモリーの構造)
(1)視空間スケッチパッド:情報を視覚的に保持するシステム(視覚的意味として長期記憶へ(から))
(2)エピソードバッファー:課題解決のために必要な情報を長期記憶から検索し,それを保持するシステム(エピソード記憶として長期記憶へ(から))
(3)音韻ループ:情報を聴覚的に保持するシステム(言語として長期記憶へ(から))
(4)中央実行型:(1)〜(3)のシステムを制御するシステム

<処理速度>
・視覚情報を早く正確に判断し,その結果を正確に書く力

これを組み合わせると

 禪生賤解> > <知覚推理>
・言語情報の理解,表現,推論が,視覚情報の処理よりも強い。
・結晶性知能が,流動性知能よりも強い。
(*不等号が逆なら解釈も逆になる)

◆禪生賤解> > <ワーキングメモリー>
・長期記憶が短期記憶よりも強い。
・結晶性知能が短期記憶よりも強い。
(*不等号が逆なら解釈も逆になる)

<言語理解> > <処理速度>
・「聞いて話す力」が「聞いて書く」よりも強い。
・結晶性知能が処理速度よりも強い。
(*不等号が逆なら解釈も逆になる)

ぁ稈粒仗簍> > <ワーキングメモリー>
・「見て処理する力」が「聞いて処理する力」よりも強い。
・流動性知能かつまたは視覚処理が短期記憶よりも強い。
(*不等号が逆なら解釈も逆になる)

ァ稈粒仗簍> > <処理速度>
・「視覚情報から推論する力」が「視覚情報の処理の速さ」よりも強い。
・流動性知能かつまたは視覚処理が処理速度よりも強い。
(*不等号が逆なら解釈も逆になる)

Α礇錙璽ングメモリー> > <処理速度>
・「聴覚情報を記憶して処理する力」が「視覚情報を書いて処理する力」よりも強い。
・短期記憶が処理速度よりも強い。
(*不等号が逆なら解釈も逆になる)


【参考文献】