【問題87】

 特別支援学級に関する次の記述のうち,正しいものの組み合わせを下のa〜eの中から一つ選びなさい。

A.障害の重い子どものために,学校教育法において,すべての小・中学校などに特別支援学級の設置が義務づけられている。

B. 特別支援学級の対象者には,知的障害者,肢体不自由者,身体虚弱者,弱視者,難聴者,その他の障害により,特別支援学級での教育が適当と判断される者が含まれる。

C. 特別支援学級は,同学年の児童生徒で編成しなくてもよい。

D. 特別支援学級の教育指導には,検定教科書を使用しなければならない。

 



 特別支援学級
に関して,法令に基づく基礎知識を問う問題である。法令を暗記していなくとも,心理臨床活動の中で特別支援学級の教育実践に接した経験があれば,正誤の判断が可能である。

A 誤り(×)。学校教育法第81条2項に,「小学校,中学校,高等学校及び中等教育学校は・・・(略)…特別支援学級を置くことができる」とある。設置が義務付けられているわけではなく,実際,設置されていない小・中学校も少なくない。

B 正しい(○)。学校教育法第81条第2項に,「『知的障害者,肢体不自由者,身体虚弱者,弱視者,難聴者,その他の障害のある者で特別支援学級において教育を行うことが適当なもの』のいずれかに該当する児童生徒のために,特別支援学級を置くことができる」とある。条文を暗記していなくても,特別支援学級の現状から想像して,「正しい」と判断することもできるだろう。

【橋口(2018)追記】
平成19年・2007年から自閉症者(ASD),学習障害者(SLD),注意欠陥多動性障害者(ADHD)なども通級の対象になった。

C 正しい(○)。学校教育法施行規則第121条に,「ただし,特別の事情がある場合においては,数学年の児童または生徒を一学級に編成することができる」とある。複数の学年の児童生徒が,一つの特別支援学級で学んでいるケースは,かなり多い。

D 誤り(×)。検定教科書が適当でない場合は,他の適切な教科用図書を使用できる。特別支援学級の先生方は,さまざまな創意工夫を行っている。法令の根拠としては,学校教育法施行規則第139条に,「…特別支援学級においては,文部科学大臣の検定を経た教科用図書をしようすることが適当でない場合には,当該特別支援学級を置く学校の設置者の定めるところにより,他の適切な教科用図書を使用することができる」とある。