【問題95】

 Nさんの翌年度の学習支援体制について,特別支援学級以外の選択肢を検討する際の方針に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,下のa〜eの組み合わせの中から,正しいものを一つ選びなさい。

A.Nさんは教室で落ち着いて過ごすことが難しいので,せめて登校の機会を増やすためにも,保健室で過ごすことで不登校にならないように支援していくことを検討する。

B.Nさんには,広汎性発達障害の特徴があり,学習の場を固定することが望ましいので, 通級による指導は用いない方向で検討する。

C.集団で学習する場の中では,他児からのからかい,いじめなどの可能性もあるので, Nさんの教育を受ける権利を守るためにも,個別指導を中心に行うことを検討する。

D.Nさんの教育的ニーズに,通常の学級での教員の適切な配置や指導の工夫によって対応していく可能性を検討する。




特別支援学級以外での,教育的ニーズへの配慮に関する基本的な知識を問う問題である。

A 誤り(×)。保健室は,健康診断・健康相談・保健指導・救急処置その他の保健に関する措置を行うための場であり,学習のための場ではない。事例のAさんの学習支援を考えた場合は,保健室で過ごすことは,学習の機会を減らしてしまう可能性がある。

B 誤り(×)。広汎性発達障害の場合も,通級指導の対象とすることが広く行われている。

【橋口(2018)追記】
 通級では,通常学級に在籍している子どもが,障害に応じた特別な指導を受けることができる.子どもが通学する学校のなかで指導を受けることができる自校通級や, ほかの学校に週に何単位時間か定期的に通級して指導を受ける他校通級,通級担当教員が指導にくる巡回指導がある.これまでは,小学校および中学校で通級が実施されていたが, 2018年度から高校でも通級が実施される.『公認心理師必携テキスト』(学研プラス)より

C 誤り(×)。教育を受ける権利の観点からとらえると,からかいやいじめの対象となる可能性から個別の指導を導入することによって,学級での教育を受ける機会を奪ってしまうことにも配慮する必要がある。

D 正しい(○)。通級や特別支援学級への入級に至るまでもなく,通常の学級における配慮で対応することが適切である場合も多くみられることから可能性の検討が求められる。